第99回 あつみロビーコンサート
リコーダーとサクソフォンによるバロック音楽の調べ

今年度最後のロビーコンサートは、2月9日(日)渥美文化会館にて開催された「第16回あつみNPOの集い」の中での演奏会という形で行われました。
出演者は、リコーダー/サックスの長瀬正典さん、電子チェンバロ/ピアノの山ア恵子さん。
リコーダーの澄み切った美しい響き、そしてチェンバロの繊細で優雅な音色に、うっとりと聴き入ってしまいました。
音楽の教材としてなじみ深いリコーダーですが、予想外の表現力豊かな演奏に正直ビックリでした。
後半のサックスとピアノでは、ジャズ等でイメージする力強いサックスとは異次元の、透明感あふれる豊かな響きに心打たれました。
サックスとバロック音楽って意外と相性いいんですね! まさに目からウロコでした。
それでは、アルバム画像をコメントと共にお楽しみ下さい。



第99回あつみロビーコンサートのプログラムです。

プログラム裏面です。

今回のロビコンは「あつみNPOの集い」の演奏会という形で開催されました。
会場はいつもの渥美文化会館多目的ホール。
準備・運営等は、あつみNPOネットワーク(ANN) のスタッフさんが行って下さいました。
心より感謝いたします!

最初に「あつみNPOネットワーク」の宮川直樹さんより、出演者の紹介がありました。
タイトルは 「リコーダーとサクソフォンによるバロック音楽の調べ」
リコーダー/サックス 長瀬正典さん、ピアノ/電子チェンバロ 山ア恵子さんのお二人による演奏会の開演です。

まずは長瀬さんより楽器の紹介です。
手にしているのは音楽の授業の教材として広く知られている、プラスチック製のリコーダー。
ちなみに私も小学生の時に吹いてました。

1曲目は、イタリアの G.フレスコバルディ作曲
「ラ・ベルナルティーニア」
優しく包み込まれるようなソプラノリコーダーの美しい音色に、心が洗われます。

ステージ横にはこんなにも様々な種類のリコーダーとサックスが!








リコーダー(英:recorder)の語源はレコーダー(記録装置)
元々は鳥の鳴き声を記録するために生まれた楽器なのだそうです。
次は、作曲者不詳「小鳥愛好家の楽しみ」
この長さ10cmほどの小さなリコーダーを使って、スズメや森ヒバリ、カナリヤなどの鳴き声を元に作られた小曲を、見事な奏法で演奏(再生)されます。
す、すごいですね!
“レコーダー” の意味がよく分かりました。

フランスの F.クープラン作曲「恋のうぐいす」
うぐいすの鳴き声をモチーフに作られた曲を、ソプラノリコーダーで奏でます。
電子チェンバロは山ア恵子さんです。





オランダの F.エイク作曲「イギリスのナイチンゲール」
そして、時はバロック時代から一気に現代へ。
1968年の作品で、ドイツの H.M.リンデ作曲
「鳥のための音楽」
現代音楽らしく様々な特殊奏法を取り入れたこの曲。
アルトリコーダーを、時には尺八の如く響かせたり、また二つの音を同時に奏でたりと、なかなか興味深いですね。
現代社会に生息する鳥は複雑怪奇です!

リコーダーは、音域の高い方から ソプラノ、アルト、テナー、バス、グレートバス、コントラバスと種類が分かれており、材質はカエデ、ツゲ、黒檀などが使われているのだそうです。
次は、フランスの C.ジェルヴェーズ作曲
「パヴァーヌ、ガリヤルド、スパニョレッタ」
この3曲をテナーリコーダー、バスリコーダーで演奏して下さいます。
(左)バスリコーダー
(右)コントラバスリコーダーで童謡「ぞうさん」の演奏も。

バッハ、ヴィヴァルディと並ぶバロック時代の作曲家で、イギリスの G.F.ヘンデル作曲「ソナタ ハ短調」
5楽章形式の曲をアルトリコーダーで奏でます。
今日はこんなにも大勢の皆さんにご来場いただきました。






後半のステージはサックスとピアノ。
まずは、前曲と同じ作曲家 ヘンデル作曲「ラルゴ」
どこまでも伸びのある美しい音色に安らぎを覚えます。
1850年頃にベルギーのアドルフ・サックスが発明したサクソフォン。
もちろんバロック時代には無かった楽器ですが、違和感など微塵も無く見事に融合しています。

フランスの E.ボザ作曲「アリア」
1936年にアルトサックスのために作られたこの曲には
「バッハのパストラーレによる」という副題が付いています。
ちなみに、このバッハの原曲は「ルパン三世カリオストロの城」にも使われているのだそうです。



プログラム最後は、イタリアの T.アルビーニ作曲
「協奏曲 ニ短調 作品9-2」
元々はオーボエの為の曲ですが、ここではソプラノサックスで演奏して下さいます。
今日のプログラムは、イタリアの曲から始まってヨーロッパ各国を巡り、最後はまたイタリアへと帰って来ました。

あつみNPOネットワークのスタッフよりお二人に花束が贈られ、会場は温かく盛大な拍手に包まれました。





ここでスタッフHさんからお礼の言葉と共に、長瀬さんが今回ロビーコンサートに出演下さった経緯の説明がありました。
昨年4月に浜松で開催されたバッハ関連の演奏会で、長瀬さんのリコーダーに感激したスタッフHさん。
ドキドキしながらロビコンへの出演をお願いしたところ、その場で快諾して下さったそうです(笑)
そして、アンコール!の声が・・・






アンコールは、誰もが耳にしたことのあるバロック音楽の定番、バッハ作曲「主よ人の望みの喜びよ」
ソプラノサックスと電子パイプオルガンの厳かな響きで会場が満たされ、温かな雰囲気の中、今年度最後のロビーコンサートの幕が閉じられました。
長瀬さん、山アさん、素晴らしい演奏をありがとうございました。
ご来場下さった皆様、誠にありがとうございました。
なお、次年度は「The 100th Anniversary」 Year として、特別企画を予定しております。
今後ともあつみロビーコンサートを、よろしくお願いいたします。